1兆円を稼いだ男の仕事術

1兆円を稼いだ男の仕事術

1兆円を稼いだ男の仕事術

mobidec2010にて夏野さんの公演を聞いて以来、すっかり夏野さんのファンになってしまいました。夏野さんの著書はいくつかありますが、正月古本屋をフラフラしていて見つけたので衝動買いしてしまいました。

本のタイトルは「〜仕事術」となっていますがよくあるHOWTO本ではなく、夏野さんが職業人生から学んだことやそこから構築した仕事哲学を説明している書籍です。大きい目で見れば仕事術と言えなくもありませんが、あくまで成功体験本と理解した方がいいと思います。肝心の内容はというと全5部から構成されていますが、その中で印象に残ったフレーズをご紹介します。

  1. 「人生一寸先は闇、今出来る事を頑張ることでしか道は開かれない」
  2. 「社会的な成功は10%の才能と20%の努力、70%の運で決まる。でもそれでも最大限の努力を続けるしか無い」
  3. 「ビジネスは社会の発展を目的に行うべし。そうすれば会社にも個人にも利益が還元される」


他の方が読めば他のフレーズが気になることもあるのでしょうが私は上記が印象に残りました。

1は2とも関連しますが、簡単にいうと「人生先が読めないんだから今やれることをやっとけ」ということです。夏野さん自身、同著の中で「自分は幸運の連鎖により成功できた」と書かれています。多くの成功は "縁" と "運" により成り立っているという考え方は松下幸之助さんの考えにも共通しますね。

特に2は非常に共感です。これまで私は多くのビジネス本を読み、中には本人から直接や成功の体験談を聞く機会にも恵まれましたが、成功している人とそうでもない人の間に何か差があるのかというと特に無いような気がしていました。自分でも薄々「もしかしてただの運かな」と感づいてはいましたが、5000億円の市場を創りだした人の口から「70%は運だ」とい言われては、やはり「そうなのか・・」と思わざるを得ません。そしてそれを理解してもなおかつ頑張り続けるしか無い、ということも改めて認識できました。


ただし運を引き寄せやすい行動や人柄については至る所で研究結果があるようです。これについては以前読んだ『スローキャリア』にも同一のことが書いてありました。

3はもしかしたら人によるかも知れません。私の周りのビジネスに夢中な人間はどちらかというと「自分が好きだからやっている」というタイプの方が多いのですが、夏野さんのようにその国の人の生活や文化を変えてしまうレベルのビジネスの場合は社会の発展をモチベーションにしないと周りからの雑音がひどいのかもしれませんね。


どちらかというとビジネス本というより読み物の体が強かったのですが、内容的には「流石は夏野さん」と思えるものが多く、新年を迎えるに当たって最適な書籍だったと思います。年の始めに「今年も1年頑張ろう!」と思える本に出会え満足でした。