ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

大前研一さんが訳をされていたので読んでみましたが非常に面白かったです。簡単に要約すると以下について説明されています。

  • 20世紀は左脳的考え方の時代
  • 21世機は右脳的考え方の人が時代を牽引していく(ただし左脳型の考えも引き続き健在)
  • これからのビジネスマンを脅かすのは以下の3つの存在
    • 豊かな社会が生み出す新しい価値観
    • アジアの安い労働力
    • IT化に伴うオートメーション
  • 21世紀は「ハイタッチ/ハイ・コンセプト」の時代
  • その時代で求められるのは以下の6つのセンス
    1. デザイン
    2. 物語
    3. シンフォニー
    4. 共感
    5. 遊び心
    6. 生きがい


論理展開としては以下です。


20世紀までは左脳の時代だったがこれからは右脳の時代 → 何故なら我々を脅かす3つの存在が今後台頭してくるから → その時代を生き抜くには6つのセンスが必要


読み終わってみてかなり感銘を受けました。最近『10年後に食える仕事、食えない仕事』という書籍が流行っているようですが、コンセプト的には同じで、この本の方がより抽象的/本質的にその議論に迫っている気がします。(前者の本読んでませんけど・・)


特に私が共感を得たのは、『デザイン』『シンフォニー』です。
物質が増えすぎた社会においてはそれらを差別化していくのはデザインであり、デザイナーは現代の錬金術師であるという考え方は目からウロコでした。私もどちらかと言うと20世紀タイプの左脳人間で、どうしても機能性や合理性で物事を考えがちなのですが、この考え方を知って以来、「無駄にお洒落」、「意味なくカッコイイ」にこだわることにしました。シンフォニーは異なる価値観を繋げていく能力のことで、書中にあるイノベーションとは殆どの場合、伝統継承と伝統破壊の調和によって生まれる」というくだりには感動しました。まさしく温故知新ですね。


最近スティーブ・ジョブズ氏の偉大さが讃える書籍が多く出版されていますが、彼がここまで讃えられる理由がまさにこの書籍で語られている気がしました。私もまだ若いので、今度はこの書籍のような生き方を実践していこうと思います。