キャズム

キャズム

キャズム

ITコンサルタントとして有名なジェフリー・ムーアさんが書いた有名な『キャズム』をとうとう読むに至りました。「アーリー・アダプタ」や「レイト・マジョリティー」など新たな視点でのマーケットセグメント分けを生み出したのはこの本です。同書は2002年に初版発行されたにもかかわらず現在も売れ続けており、ITマーケティングのバイブル的な書籍になっています。

私も『キャズム』自体は前から知っていて、WEBなどで「アーリー・アダプタ」などのセグメント分けの概念をよく目にしたものですから、「ああ、もう知ってるし別に改めて読むほどじゃないよね」と考えていました。しかし同書を読み私のその認識は誤りであったことを痛感しました。同書にはキャズムの基本的な考え方だけでなく、

  • 如何にしてキャズムを越えるべきか?
  • その具体的な方法は?
  • キャズムを超えた企業の例


という最も重要な部分が詳細に語られており、これを知らずしてキャズムの理解はあり得ないと言い切っても良いと感じました。ドラッガーの本を読んだ時も感じましたが、WEBや聞きかじりでなんとなくわかった気になるのではなく、やはり本家本元をきちんと理解することが重要なんだなと痛感しました。(考えたらプログラミング言語の学習でも同じですよね・・)

本ブログは書籍解説ブログではないのでキャズムの詳細な説明は同書に任せますが、同書の内容を簡単に語ると、「同程度の機能/品質の製品であっても、市場の浸透度合い差が出るのは実行するマーケティング戦略の違いである」という仮説の下、その根拠が詳細に語られています。具体的に例を挙げると、「iPodWALKMANでできることにさほど差はないのに、どうしてここまでマーケットシェアに差が出るんだろう・・」などの疑問に対する(ムーアなりの)答えがこの書籍で語られています。

私は開発畑からセールス/マーケ畑に転身したので『キャズム』の考えは非常に納得でき、かつ今後の自分の活動に生きてくるだろうと実感しました。マーケティング担当だけでなく、開発マネージャーやベンチャー企業の経営者にもじっくり読んでもらいたい書籍だと思います。

2010年のマイベストかも?