まさか!?―自信がある人ほど陥る意思決定8つの罠
- 作者: マイケル・J・モーブッサン,関谷英里子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/04/09
- メディア: 単行本
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意思決定はマクロ的には行動心理学、ミクロ的には心理学で研究されていますがその学問の代表的な研究対象といえば「投資」です。本書でも主に「投資」を対象として人間の意思決定プロセスを明らかに使用としています。本書の目的は「意思決定に潜む罠を学習し、自身が意思決定する時にその罠に陥る確率を低くできるようになること」となっており、八つの大きな罠について、多くの事例と共に説明がなされています。
で、読んだ感想はというと、以前この書評でも紹介している『経済は感情で動く―― はじめての行動経済学』と似たような内容の本でした。「まさか!?」の方がより一般的な意思決定の視点で書かれていますが、行動心理学をメインに意思決定の誤りを解き明かそうとしている部分は非常に似ています。
同書では、1.準備、2.認識、3.適用という3ステップで意思決定の誤りに気づく事を推奨しています。1.は意思決定の誤りがどういう原理で発生するかをまず理解すること。これはわりと簡単だと思います。2.は日々自身が行わなければならない意思決定において「自分が陥りそうに鳴っている罠」が1.で説明されているどのカテゴリに該当するかを見極める作業。罠の回避方法はカテゴリ毎に大別されていますが、この罠は単体で連続性をもって発生する場合もあれば、2つ以上が同時に発生する場合もあり、しっかりとした "選別" ができないとそれに対応する方法も曖昧なものになってしまいます。そして最後に3.でそれぞれの罠に自分を適用させ、意思決定において都度最適な判断を下します。「最適な意思決定はこれら1〜3.を繰り返すことでよりスムーズに行えるようになる」というのが同書の主張です。
この本を読んで次の日から意思決定がスムーズに出来るというわけではありませんが、「陥りやすい罠」をカテゴリ毎に認識できるようになるだけで、意思決定をする際の一つの指針になるような気がしました。でももう一回ぐらい読み直さないときちんと理解出来ないというのが正直なところです。。