「企画書」の基本&書き方がイチから身につく本

「企画書」の基本&書き方がイチから身につく本

「企画書」の基本&書き方がイチから身につく本

提案書、企画書を書く能力がほぼゼロだったので読みました。購入にあたっては企画書の書き方かが載っている本のうち10冊程度を比較して決めました。この本に決めた理由は以下です。

1)著者が過去、大手広告代理店で30年以上企画・提案に携わった経験をお持ちでかつ現在は宮城大学事業構想学部で教鞭を取っておられること
2)書籍自体の論理構成が明快であること
3)対象読者が「企画書をまったく書いたことが無い方」であること

対象読者は3)となっていますが実はそんなことはなく、自分の企画書の出来がイマイチと感じている方や企画書の作法が十分に理解出来ていない(私このことです)方にもおすすめだと思います。私が特に感心したのは、「企画書は共感と感動を呼ぶものでなければならない」、「企画とは現状の改善、改良する企てを書くものだ」の2つでした。私はずっとエンジニアとプロマネをやってきたので、書くドキュメントと言えば計画書や見積書、マニュアル、運用フローなどが主でした。このような文章は事実が簡潔に書かれていることが重要であり、そこに読み手の共感や感動を得るためのエッセンスを加えることはありません。また現状を改善、改良するための意志を加味する必要もありません。しかし企画書、提案書ではそれではダメで、上記の心構えを持って書かないと、何をしたいのかがさっぱりわからない文章になってしまいます。おそらくこれまでの私の提案書がわかりにくかった理由も突き詰めればここにあるのではないかと思います。


企画書は基本自由に書いていいが重要なのはストーリーがあること、そしてストーリーの骨子は以下が基本であると書かれていました。

1.企画の背景と目的はこうだ
2.現状はこうで、そこにはこのような問題がある
3.この問題の本質はここにある
4.だから解決はこの方向で考えるべき
5.したがってこれをすべきである
6.そうすればこのような成果が得られる

今考えればこれさえも知らなかった私に良い企画書、提案書が書けるわけもありませんよね(^^;; ともあれこの書籍のおかげで企画書、提案書の何たるかを理解することができました。まずはこの本に書いてあったことに注意し実際に企画書、提案書を書いてみたいと思います。

肝心の書籍自体の評価ですが、短く本質がまとめられており非常に良いと思います。筆者が既に現役を退かれ教鞭を取っていらっしゃるせいか、書いてある内容が一般化されており、非常に教科書チックに仕上がっていることも同書の特徴の一つです。第一線で活躍している人が書いた書籍は他者に理解してもらおうという意志が希薄なもの、凡人には実行しづらいことが書かれているものが多いのですが、この本は企画書を書くための非常に基本的な事のみが書かれており理解、理解・実行しやすかったです。ただしその分、企画のプロの方から見れば物足りない内容であることは事実ですので、自分のレベルを見極めた上で読まれることをおすすめします。