3秒で女を「買う気」にさせる魔法の言葉

3秒で女を「買う気」にさせる魔法の言葉 (セオリーBOOKS)

3秒で女を「買う気」にさせる魔法の言葉 (セオリーBOOKS)

最近Blogやメールマガジンなどでタイトルやキャッチコピーを考える機会が多いのでコピーの知識が欲しくて読みました。筆者は通販プランナー兼通販コピーライターの(年配の)女性です。この方が書くコピーはいわゆる「レスポンスコピー」で、ユーザの心を瞬時に捉えることを目的としたコピーで、商品のコンセプトを伝えたりブランディング目的のコピーとは異なります。そのため自然とユーザの深層心理に訴えかけるようなキツイ言葉のコピーが多く、書籍ではその代表的な手法が数多く紹介されています。特に(年配)女性の購買心理について詳細に語られており、そのどれもが非常に納得のいく理論ばかりです。これを読んでいると「男性と女性の購買行動にかくも差があるのか?」と驚くばかりです。(でも事実なんですよね・・)

中でも印象に残ったのは、商品は以下の2つの価値から構成されているというくだりです

1.ハード価値≒機能訴求
2.ソフト価値≒情緒訴求


「モノが良ければ売れる」というのはある一面で事実ですが、それだけでは商品価値の50%も発揮できていない状態であり、そこにソフト価値(情緒訴求)を投入することで初めて商品の真価が備わるという考え方です。その商品に注いだ愛情などをコピーなどに乗せることで初めて本当に価値のある商品に生まれ変わるというのが筆者の持論のようです。これには私も非常に共感しました。この1つ前に書評を書いた『テクノロジーブランディング』にもありましたが、良い技術・商品を開発できたとしても、それきちんと伝える・魅せる努力をしないとせっかくの価値が半減してしまうという主張はまさにこれに通じます。


コピーを作る際の本質とテクニックの両方が書いてあり、実践的でありながらも深さのある1冊でした。また筆者の語り口調も非常に切れ味が良く、読んでいて気持ち良くなるのも同書の特長の1つです。