営業は感情移入

営業は感情移入

営業は感情移入

営業への転身をきっかけに会社の上司に勧められたので読みました。筆者は元外資のISO審査機関のトップセールスで、今はセールス専門のコンサルタント会社を経営されている方です。一般的に「営業マンに大切なのは営業センスだ」と言われますが、これを一歩進めて「営業センスの正体は何なのか?」という点に迫ることを書籍の主題としてており、それは「営業センス=感情移入である」と結論付けています。その上で、感情移入の正体とその重要性、感情移入を身につける具体的な方法が順序立てて説明してありました。また上記の結論を導き出すために、あらゆる業種のトップセールスから一般のセールスまで、1000人規模のアンケート調査を行っており、データによる裏付をきちんと行っており、ありがちな、「トップセールが自分の成功体験をただ書いているだけの本」になっていないところもこの書籍の特長です。

ちょっと残念なのが書籍の構成で、あまり論理的に構成されておらず、どちらかと言うと筆者言いたい順で書かれている気がしました。そのため感情移入の正体について説明しているのに、いきなり「こういう営業マンは好かれない」という経験的な話がいきなり混じったりと、読んでいて頭がついて行けない点が散見されたのは残念なところです。

内容についてちょっと書くと、トップセールスを調査してわかったことは、営業スタイルの違いはあれどトップセールス全員が「お客さんの身になって物事を考える」という習慣が確実に身に付いている事だそうです。要は感情移入の正体はここなんですね。同書でもっとも言いたいことは「この習慣を見につけるためにすべきこと」のようで、これについての説明には多くのページが割かれていました。

同書は営業マンは読んで絶対に損はない書籍であることは間違いないと思います。私も早速この本に書かれていることを実践し、効果が出ているのを感じています。皆さんも是非読まれることをお勧めします。