ユニクロ vs しまむら

ユニクロ vs しまむら(日経ビジネス人文庫)

ユニクロ vs しまむら(日経ビジネス人文庫)

近所にしまむらができたので思わず読んでしまいました。ユニクロの戦略性の高さと店舗展開の素晴らしさは知っていましたが、しまむらはよく知らなかったので勉強したいと思って読みました。書籍の展開としては、ユニクロしまむらの企業戦略や人材育成スタイルを比較して、その対称性をクローズアップしています。ユニクロは他の書籍でもよく見かけるので割愛するとして、しまむらの秘密はその徹底的なマニュアル化とローコスト体質に強さの秘密があるそうです。これは主にしまむらの社長が創業者ではなく、サラリーマンからの叩き上げ社長であることに起因しているとのこと。凄かったのは社員の80%近くがパートタイマーで構成されているにも関わらず、労働環境が整備されているため業務に全く歪が無いことです。これにはびっくり!対照的なユニクロしまむらですが、唯一共通しているのは、小売でありながら(形は違えど)物流機能を自社で有していること。「小売で勝ちたかったら物流を押さえとけよ!」というのが筆者の持論のようです。

あとユニクロが思った以上に人材育成に力を入れていることを知りこれにもびっくり!柳井さんのカリスマ性が強いため本人が危機感を抱いての行動とのことですが、それを認知して地道に環境を整備している点がスゴイですね。柳井さんの徹底性は他書で読んで知っていましたがやはり圧巻です。

ノウハウ本ではなく読み物っぽいのでさらっと読めました。特徴としては数値データが多く客観性があるということでしょうか。読んでいて感じたのは、アパレルの小売は「現代の売れないもの」、「でもやり方によっては売れるもの」の代名詞であるということです。将来小売をやりたい人はまずアパレル小売業界に学ぶのが王道なのかも知れません。