「戦略PR」の仕掛け方

「戦略PR」の仕掛け方 (PHPビジネス新書)

広告ではなくPR、しかも戦略的なPRの重要性について書かれた書籍。近年マス広告の弱体化が叫ばれているが、それに変わる宣伝手法としてPRの重要性を説いている。PRといってもさほど特別なことではなく、

・プレスリリースを書いてニュース通信社に売り込む
・WEBサイトに会社のPRを載せる
・社員や社長に書籍を執筆させる

など今の世の中としては一般的なことが書かれている。ただ筆者の主張で特筆すべきは、「それらを戦略的に展開しなさい」という点。しかしながら残念なのは、その戦略的な展開手法については全く言及されていない点。戦略的展開の重要性に異議を唱える人はいないので、もう1歩踏み込んでその具体的な手法までを解説して欲しかったと思います。

この書籍で最もためになったのは、『チャネル別にPR手法を具現化する方法』のくだりで、「新聞やTVに取り上げられるには、それらの担当者にこのようにコンタクトしろ」など、具体的なコンタクト方法までが書かれている点です。PRの重要性を理解していたとしても、マスメディアにコネのない人間がPR発信までこぎつけるのは非常に困難であり、それを持つことこそが最難関ポイントであるとさえ思います。もしかしたらPRを生業としているコンサルタントの最大の財産は、PRのノウハウを持っていることではなくて、メディアへのコネクションを大量に有していることかもしれません。（私も欲しいです・・）

私は戦略的PRの有効性は十分認識しているつもりなので、あまり目新しい発見は（メディアへのコンタクトの取り方以外では）無かったですが、PRの重要性にまだピンと来ていない方は１度読むことをお勧めします。ページ数も少ないのでおすすめです。