マジマネSPECIAL スターバックスに学べ

マジマネSPECIAL スターバックスに学べ

マジマネSPECIAL スターバックスに学べ

スターバックスの成功の要因について書かれた書籍。ありがちな外国ブランドの成功体験本と基本的には同じ。この本によるとスターバックス成功は「良質なものを信念を持って顧客に提供したから」としており、日本企業にとっては当たり前の概念で締めくくっている。感覚的にはリッツカールトンの成功秘話について本を書いても同じ内容になると思われる。そもそも米国式の経営方針は財務主導スタイルであるため「顧客と向き合う」や「担当者の誠意が大切」という感覚は隅に追いやられ、効率化や全体最適化の概念が持ち出されることが多かった。しかし近年それが見直され、日本式の「お客様は神様です」スタイルが米国でも持て囃されるようになっていると感じている。しかしそこにも明確な違いはあって、顧客主導型の中にも仕組み化や効率化の概念がきっちり存在しており、日本式、米国式のいいとこ取りスタイルを目指そうとしているように見える。

読んでいて特に気になったのは「スターバックスはコーヒーを通じて体験を販売している」というくだり。つまりコーヒーの品質がいいことは当然として、「その品質から得られる成功体験が重要」というスタンスを取っている。これはハーストーリー社の日野さんの言われる、「顧客成功」と同じで、「ユーザーは品質やスペックよりもその商品を購入して自分の生活がどう変わるかを重視している」という考え方に基づいている。これは最近のマーケティングや販売・営業のどの本を見ても書いてあることで、改めて顧客成功の重要性に気づかせられました。

いろいろ書きましたが全体的には初心に戻れるいい本です。財務主義で経営を考えすぎる方は1度立ち止まって読んでみてもいいかもです。