負けない交渉術―アメリカで百戦錬磨の日本人弁護士が教える

負けない交渉術―アメリカで百戦錬磨の日本人弁護士が教える

負けない交渉術―アメリカで百戦錬磨の日本人弁護士が教える

最近営業をする機会が増えて来たので交渉術の本を読んでみました。同書籍は交渉術を論理的に教えるタイプの本ではなく、米国在住の国際弁護士である筆者が、多くの企業訴訟に関わってきた中で自身の経験に基づく実践的な交渉テクニックをまとめた本です。それだけ聞くと、「なんだこれも自分の成功体験をノウハウ本っぽく書いただけの書籍か」と思われがちですが実際そうです(w 筆者自身は「交渉における基本原則」を語ったつもりらしいのですがエピソードベースの内容が多く、残念ながら「これさえ抑えておけば大丈夫」という内容には仕上がっていませんでした。
しかし米国の国際弁護士の経験なので書かれていることは並みの経験ではありません。海千山千のハードな交渉相手を面に、筆者が具体的に取った交渉術が事細かに書かれています。読み手からすれば、それらのエピソードを自分なりに解釈し、今後の交渉に応用しようとするだけでも一定の価値はあると思われます。おそらく同書籍の発売当時の読みにそのようなニーズが多かったせいか、同書は第4刷まで増刷されていました。

個人的には交渉術は心理学に近いので、人間の基本的な心理を押さえた上で後は経験によって補って行く方がよいかと思います。その過程において、同書籍の具体的なエピソードが役に立つこともあるかと感じました。